二〇二一年一月二十四日 豊中市伝統芸能感にて発表会を行いました。昨年九月から月一回の稽古の成果をそれぞれ楽しく演じました。コロナ禍にもかかわらず、応援頂いた皆様、ありがとうございました。
狂言 演目紹介
蟹山伏(かにやまぶし)
修行を終えた山伏が強力とともに国へ帰る途中、江州の蟹が沢へ来ると、そこに蟹の精が現れます。 「慢心する山伏の修行を妨げようとして現れた」という蟹の精を懲らしめようとした強力は金剛杖で蟹の精を倒そうとしますが、逆に耳を挟まれてしまいます。 それを引き離そうと祈る山伏もまた耳を挟まれてしまい散々な目に遭います。
※本来、蟹の精には賢徳という面を用いますが、子方が演じる場合は素顔で演じます。
痺 痢 (しびり)
主人が召使の太郎冠者を呼び出して、今晩急に来客があるから魚を買ってこいと命じる。 遠くまで行かねばならぬ苦労を嫌がった太郎冠者は、仮病をつかって断りをいう。 親から譲られた持病の「しびり」が起こって一足も歩けないと、足を抱えて座り込む。 主人は仮病を見破って、一計を考え太郎冠者を懲らしめ、平伏して礼をする太郎冠者を叱って終わります。
盆 山 (ぼんさん)
近年世間では盆山が大流行。 男も所有はしているものの今一つ気に入った盆山がありません。また知り合いの主人は豪華な盆山をいくつも所有しているとの事。男は一計を案じて、その知人宅の屋敷へ夜な夜な忍び込み、好みの盆山を無断で拝借することに・・・。 しかし主人に見つかってしまい、散々に嬲られてしまいます。 ※盆山とは平たいお盆を下地にして、盆栽に似た鉢植えや箱庭のような物で情景を象ったものです。
※中世は下剋上の時代とも言われます。その様子を見事に喜劇化したものが狂言です。700年前の下剋上の笑いをお楽しみ下さい。
昆布売 (こぶうり)
自身で太刀を持った大名が通行人の誰かに太刀を持たせようと思っている処へ、若狭の小浜から毎日都へ通う昆布商人が通りかかります。 大名は声をかけ、むりやり太刀を持たせます。その高圧的な横柄に腹を立てた昆布売りは、持たされた太刀を抜いて逆に大名を脅し散々に嬲ります。